「中学校には通わず、フォートナイトに専念する」と発信した、12歳のYouTuber・Tarouさんが話題を呼んでいます。
- 小学2年生からゲーム実況を開始
- 登録者数はすでに19万人超
- 学校に行かず、1日9〜11時間を練習に充てる生活
- 東大卒の父と実業家の母によるユニークな教育方針
- 都会から山奥へと移住し、自然に囲まれた暮らしへ
Tarouさんの選択は、「学校に行かない生き方」の一例として、教育や子育てを考える多くの人々に問いを投げかけています。
本記事では、彼のこれまでの歩み、日常生活、そして両親が語る教育のあり方について、インタビュー内容をもとに詳しく紹介します。
YouTuber Tarouとは?話題の12歳について

フォートナイト実況で人気急上昇の理由
Tarouさんは、小学校2年生の頃からオンラインマルチプレイヤーゲーム「フォートナイト」の実況動画を配信してきました。
「フォートナイト」とは、複数のプレイヤーが同じフィールドに降り立ち、資材や武器を駆使して、最後の1人になるまで戦い抜く人気シューティングゲームです。
ゲーム実況チャンネル「たろうチャンネル」は、現在登録者数19万人以上を誇る大手チャンネルに成長しています。
小学生とは思えないプレイスキルと、子どもらしい素直な語り口が組み合わさり、多くの視聴者の支持を集めているのが特徴です。
中学校に通わないという決断が注目
2024年2月、Tarouさんは自身のX(旧Twitter)アカウントで、次のように宣言しました。
小学校卒業後、中学校には通わないことを決めました。
— Tarou (@fn_taro) February 8, 2025
Fortniteの競技・YouTubeの両方を本気でやりながら充分な睡眠・運動・学習の時間を確保できる生活にするために、一年かけて親子と学校で話し合った結果です。…
この投稿は大きな反響を呼び、多くのユーザーが驚きや賛否を交えてコメントを寄せました。
特に多かったのは、「勉強はどうするのか?」という疑問や、「学校に行かないなんて大丈夫?」といった不安の声です。
この決断は、Tarouさん一人だけの考えではなく、家族全体で話し合って決めた方針であり、以下のような具体的な生活計画が語られています。
- 1日9〜11時間をゲーム練習に充てる
- 最低でも10時間の睡眠を確保
- 運動も取り入れた規則的な生活
また、厚生労働省の睡眠ガイドラインに基づいて、健康的な生活リズムを保つよう工夫されていることもインタビューで明かされています。
田舎暮らしで送る日常とゲーム中心の生活

現在、Tarouさんが暮らしているのは、人口が千数百人しかいない山奥の村です。
かつては東京都・青山のタワーマンションに住んでいた一家ですが、Tarouさんが小学校1年生の6月に移住。
その理由は、両親が「落ち着いて家族に向き合える生活をしたい」と考えたからだそう。
移住先は、祖母が所有していた山奥の家。豊かな自然に囲まれた環境の中で、Tarouさんはのびのびと日々を過ごしています。
生活の特徴は以下の通り。
- 山を散歩したり、ストレッチを行うなど、毎日一定の運動時間を確保
- 高強度の運動(週1〜2回、10分程度)も取り入れ、健康管理に気を配っている
- 給食がおいしく、学校の友人たちもやさしいと感じていたとのこと
ゲームに集中する一方で、心身のバランスを大切にした生活が送られている様子が伝わってきます。
Tarouの親が語る「学校に行かない教育方針」
東大卒の父と実業家の母が選んだ道とは
Tarouさんの家庭は、非常にユニークな教育環境にあります。
- 父親は、筑波大学附属駒場中・高等学校から東京大学法学部に進学
- その両親(Tarouさんの祖父母)も東大卒という、いわゆる高学歴一家
- 母親は幼稚園から中学まで受験を経験し、海外の大学を卒業後、会社を経営
そんな二人が共通して語るのは、「学歴や学校にとらわれない教育」の重要性です。
父:「僕自身は今、フリーランスで仕事をしているし、子どもにはシステムが変わっても対応できる柔軟性を育ててほしい」
母:「勉強は人生いつでもできる。興味が芽生えたときの方が、吸収力も高い」
彼らは、「学歴を積み上げることが成功に直結する時代ではない」と実感しているからこそ、Tarouさんに“別の道”を示しているのかもしれません。
「学習指導要領を追わない」理由と信念
Tarouさんの両親は、「中学校で学ぶべきことを無理にカバーしようとは思っていない」とはっきり述べています。
母:「中学で学ぶ内容が、将来に本当に必要なのか?私たちはそこに懐疑的なんです」
これは、決して「勉強を軽視している」のではなく、形式に縛られた教育ではなく、自発的な学びを重視したいという姿勢の表れです。
特に、父親は次のように補足しています。
- 6年後の大学受験制度がどう変わるかわからない
- 子どもがやりたいことが明確であれば、学力が必要になったときに自分から学ぶ意欲が出てくる
- 興味に基づいた学びの方が、長い目で見れば有効
このように、家庭内では「一斉教育ではない、柔軟な学びのスタイル」が尊重されていることがわかります。
Tarouの親について
Tarouさんの独自の学び方やライフスタイルの背後には、自由で柔軟な価値観を持つ両親の存在があります。
父親:高学歴・高教養、しかし価値観は「脱・東大中心」
- 筑波大学附属駒場中・高を経て、東京大学法学部に進学
- 父母ともに東大卒、さらに祖父母も高学歴という家庭環境
- しかし、「東大進学が当たり前」という空気に対して距離を取り、現在はフリーランスで働くスタイルにシフト
- 教育については、「6年後の受験制度がどうなるかは分からない」という柔軟な姿勢を持つ
父:「子どもには、どんなシステムになっても対応できる柔軟性を育ててほしい」
ゲームをただの娯楽と見ず、「集中力・戦略性・体調管理能力」を必要とする競技的な活動として尊重している点も印象的です。
母親:お受験人生→海外大学→起業というキャリアパス
- 幼稚園から中学まで、一貫して受験中心の生活を送る
- 海外の大学に進学し、その後は企業勤めを経て起業
- 現在は自分で会社を経営しており、比較的自由な働き方を実現
- Tarouさんに対しては、「学校的な勉強にこだわらない」スタンスを共有
母:「勉強っていうのは人生いつでもできる。興味が芽生えた時の方が吸収力がある」
家庭内では、Tarouさんの好奇心を刺激するような環境づくりに積極的。
文化・歴史・教養を意識した会話や外出先の選定、さらにはAIとの対話や調べ学習のサポートにも積極的に関与しています。
まとめ
中学校に通わないという決断を公表した12歳のYouTuber・Tarouさん。
その選択は、ただ奇抜なものではなく、東大卒の父と実業家の母という家庭の価値観と、柔軟な教育方針に裏打ちされたものでした。
- 小学2年生から続けてきたフォートナイトの実況活動
- 都会から自然豊かな村へと移住し、健康と集中力を両立させる生活
- 「学習指導要領にとらわれない学び」を通じて、好奇心と自発性を育てる方針
Tarouさんのケースは、これからの時代における「学び」や「育ち」のあり方について、多くの人に考えるきっかけを与えてくれます。
「中学校に行かない」「YouTuberとして生きる」という選択が、単なる逸脱ではなく、子どもの興味と未来に寄り添った1つの道として成り立つことを、この記事を通して伝えられたなら幸いです。